そんなわけで、自治体の内職相談も、間が悪かったのか結局、紹介すらしてもらえませんでした。

一度仕事から退いて数年ブランクがあると、とたんに厳しくなるのだなと思いました。

そんなことも忘れていて数年後、引っ越した場所で子供は幼稚園生になっていました。あるとき新聞の折り込みチラシの求人広告に「内職募集」の文字を見つけました。幸い、家から車で数分の場所でした。

行ってみるとそこには30人ほどの老若男女の人が集まっていました。説明にあたった女性は経営者の奥様らしく、全員にその場で早速、作業する材料を配りはじめました。

「え?ってことは採用?だよね?」

数年前のトラウマ的な出来事から数年、ここでは訪れた人には子供がいるとかいないも何も聞かず全員に仕事を依頼するようでした。

やった~!

これで未来が開けた気がしました。

でも、気になったのは、材料を配り、仕事を引き受けたけれど「これを完了したら、いくらもらえるのか?」の肝心な話が全くなかったのです。今の私ならあり得ませんが、そんなことを聞いて「じゃあ、仕事をしなくていいです。」と言われるのが怖くて黙っていました。

その場にいた人は30人ほどいたのに、誰も肝心なことを聞きませんでした。その奥さんは特に胡散臭い様子もなかったので、忙しいので言い忘れたのだろうと思うことにしました。

とにかく引き受けて材料を持ち帰って作業しました。完成したものを持って行くのも材料を持って行くのも自分で、自分の車で、です。作業するにはゴミなどが入るといけないので一部屋を占領しました。

何度目かの仕事のとき、夜中までかかりました。でもこれだけの手間なら単価はこのくらいはもらえるだろうと想像しました。ところが、受け取った報酬を見て愕然。思った金額にはほど遠いものでした。

引き受けた以上は責任があるので食事の支度もままならず、総菜を買ってきてしまいました。

そして報酬を見て「もうやめよう」と決心しました。自分の車で行き来しても交通費もなく、ただ、小遣いのようなわずかな報酬だけがむなしく入っていました。

この調子なら、節約した方がよっぽどいい。そう痛感しました。

 

以後、二度と内職の二文字に心が引かれることはありませんでした。

 

実は4,5年前にはパソコンで文章を書いてわずかな報酬をもらえるバイトをしましたが(300字50円とか、600字80円程度など)指定の内容で文章を書くのは結構大変でした。

それでも以前行った「内職」のように、納期も車での行き来も、スペースも不要なので随分便利な世の中になったと思ったものです。

現在は、それより一歩前進しました。金額は決して多くはありませんが、好きな事を書いて収入を得られます。小さいお子さんがいても行うことができます。お子さんがいればその暮らしで得た内容もネタになります。

本当に良い時代だと思います。

 

おわり